白い花が咲いたなら

「だって、いつも怜奈のことばっかり見つめてるじゃーん? 熱ぅい視線でさ」


「そ、そんなことないと思うよ? 真貴子の思い過ごしじゃない?」


「またまたぁ~。怜奈だって気付いてるクセにぃ~。ひゅーひゅー♪」


「んもー、ヤメてよ!」


 あたしは唇を尖らせながら、真貴子の腕をバシッと叩いた。


 でも心は、ふわりと花がほころぶように華やいでいる。


 彼があたしのことを?

 まさか。そんなことない、ない。

 でも……。

 まさか?


 トクン、トクンと心臓が、秒針を刻むようにざわめいている。


 そのたびに、心地良くて温かい気持ちがあたしの体中に満ちていく。

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