白い花が咲いたなら

 近藤くんってさ。

 実は前から、ちょっとイイかなぁって思ってたんだよね。

 ……ちょ、ちょっとね。ちょっとだけね。


 なんて、自分で自分に言い訳しつつ。


 つい、あたしの目は彼のことを無意識に追ってしまう。


 そしたら彼がこっちを振り向いて、お互いの目と目がバッチリ合ってしまった。


 うわっ。見てたのバレたっ。


 ―― ニコッ……。


 近藤くんが、すごく優しい顔で微笑んでくれた。


 あたしの心臓は、外に飛び出ちゃいそうなくらい大きく鳴った。

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