好きっていうまでは
実践
日曜日に出かけるなんて夏休み以来かな。
いつも下ろしてる髪を、アップにした。
最近、髪の毛が邪魔かも。
「ごめん。まっ、た?」
あまりにも神木くんがじーーっと見てくるから…。
「な、なに?変?」
「その逆。可愛い」
頭をポンポンとされた。
子供扱いは、陽輝と同じ。
水族館は薄暗がりで足元がおぼつかない。
慣れないヒール。
「ここ使いな。おバカさん」
そう言って、手を神木くんの腕につかまされる。
あ。すごく楽になった。
「知ってる?サメってすんごい臭覚があんの」
「聞いたことあるかも。」
「一滴の血を百万倍に薄めても感知するんだって、
この前TVで見た。」
「へぇ。サメって、こう見えてきっと繊細な心なのかも」