好きっていうまでは


「ごめんなさい。」

私は神木くんに深く頭を下げた。

申し訳なくて。

「なんで謝ってるの?」

「申し訳なくて。

私は、神木くんをただ自分勝手なだけだと思って、

本当のことを知らずに、勝手な偏見を…

私は知らず知らずそのようなことを沢山してしまって…」

明るかった視界がすこし暗くなって、温かかった。

気づいたら、神木くんは私を抱きしめてくれてた。


「いいよ?自分勝手だし、俺。

偏見とか、俺も持つし。

謝る必要ない。正直に言ってくれたことが俺は嬉しいよ」


そう言って私の頭をなでてくれた。

ドキドキしてるのは…気のせいなのでしょうか?


前の私ならこんな事されたらすぐに離れたがるのに、

なぜだか今は嫌じゃない。
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