好きっていうまでは


「大好きって、もっかい言って!」

帰る途中、神木くんの口からはこればっかり。

「嫌だよ。何回も言わないとダメなの?」

「ダメじゃなくて、俺が言って欲しいの!」

「嫌だよ。恥ずかしいし」

「えー。なんかさ、彩華に好きって言われると、

胸が熱くなるってか、嬉しい。」

「そうなんだ」


私はそれだけ言って話を流した…ように見せかけた。

ほんとは、すごく嬉しい。

顔も嬉しい表情を出さないように堪えてる。


「じゃ。また明日学校でね」

「うん。じゃあね」


もう着いたの?って感じ。

学校から本当なら、15分はかかるのに、

今日は5分に感じた。


早く、明日にならないかな…。

< 117 / 252 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop