好きっていうまでは
「大好きって、もっかい言って!」
帰る途中、神木くんの口からはこればっかり。
「嫌だよ。何回も言わないとダメなの?」
「ダメじゃなくて、俺が言って欲しいの!」
「嫌だよ。恥ずかしいし」
「えー。なんかさ、彩華に好きって言われると、
胸が熱くなるってか、嬉しい。」
「そうなんだ」
私はそれだけ言って話を流した…ように見せかけた。
ほんとは、すごく嬉しい。
顔も嬉しい表情を出さないように堪えてる。
「じゃ。また明日学校でね」
「うん。じゃあね」
もう着いたの?って感じ。
学校から本当なら、15分はかかるのに、
今日は5分に感じた。
早く、明日にならないかな…。