好きっていうまでは
2人で帰り道を歩いてると、信号のところにすこし見覚えのある、
黒い車が止まってた。
信号のところまで歩いていくと、車から人が出てきた…
「え。み、美佳ちゃん?」
「やっぱり彩華!久しぶりぃ!」
美佳ちゃんは私に抱きついてきた。
ヒールのせいもあるけど、美佳ちゃんの背が大きいから、
抱きつくの辛そうだけど…
「彩華、誰?この人」
「あ。美佳ちゃんは私の従姉妹で、赤橋美佳っていうの」
「あ。どうもぉ。赤橋美佳です。あなたは?」
「神木るいです」
「よろしくね」
そう言って、神木くんに抱きついた。
「は?ちょ、なんだよ。急に」
不機嫌そうな声の神木くんにきちんと説明をしなくちゃ!
「あ、神木くん!美佳ちゃんはニューヨークに住んでて、
これは挨拶なの!」
私は慣れていたけど、神木くんにはわからなかったみたい。
「あ。ごめん。日本じゃ変なふうに見られるよね!
じゃ、また連絡するね!ばーい!」
美佳ちゃんは車にまた乗り込んで、行ってしまった。