好きっていうまでは

私はとにかくその場を離れた。

美佳ちゃん…が誘ったのかな。

でも、そうじゃなかったら?神木くんが誘ってたとしたら?


「るいいた?」

「ううん。いなかった」

「…そうか。なんかあった?」

私は何も言えなくて、黙ってた。


「ほら。手かして。」

私の手を陽輝の手にのせた。

陽輝は、私を理解してくれる。何も言ってないのに…

いつも、理由は聞かずに手を握る。

何となくそれが、安心する。家族みたいで。

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