好きっていうまでは
「ご、めん。もう切るね…」
こんなことで泣くなんて、だめ。
聞かれたくない。恥ずかしいもん。
私は電話を切った。
信じきれない私は、最低、最悪。
だけど好きでいたいなんて、矛盾してる。
恋愛って難しい…
そう思うと涙が止まらない。
窓を開けて空を見ても、何もない。
ただ青い空だった。
ガチャ。
玄関のドアが開く音。
「…神木くん?なんで…?」
「はぁ…はぁ…だって…彼女のこと泣かせてほっとく彼氏はいないだろ?」
わかってたの。神木くん。
私が泣いてること。
バレないようにしたのに。
「彩華のためならすぐに来るよ。
ずっとそばにいるから…」
神木くんはそう行って私を抱きしめた。