好きっていうまでは


「でも、俺はあきらめたりしないし、できない。」

「何言ってるんですか?あきらめられるでしょう?

女の子はたくさんいるんです。もっと素敵な子が。」

「そうかもしれないけど、俺はこの人って決めたら変えない。

自分であきらめつくまで、あきらめない」


はぁ。私は息をつく。

なぜ、私なのか…。さっぱりわからない。

この学校には、モデルをやってる女の子もいるし、可愛い子がたくさんいるというのに。

私を彼女にしたい理由がわからない。


「好きって言わせてみせるから。見てて」


挙げ句の果てに、そんなことまで言いだした。

「ごめんね。話ってこれだけだから。じゃ、また明日」

そういって、教室を出て行った。


私も家に帰り始めていた。


たぶん、私は神木くんを好きになることもないし、そう言うこともないと思う。


私は人を好きになることを忘れてしまったかわいそうな女の子。

きっと、この先も好きになれる人は現れない…そう思う。
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