好きっていうまでは

私は教室に戻り、いつも通り過ごした。


「彩華ー。帰ろ」

「あっ。うん。」


神木くんに気づかれないようにしないと。

「彩華」

「なに?」

「隠し事あるんじゃねーの?」

えっ。なんで。気づかれるようなことは何も…


「ないよ?」

「ほんとに?」

神木くんは私に近づいて、キスしそうなくらい近くに顔を近づけてきた。

「俺に嘘つけないって。本当は?」

「な、なんでもないからっ。」

「はぁ。なんで言わないかな。

俺のこと信用してないの?」

「そういうわけじゃないよ。」

「あの金髪。あれ誰だよ」


よく見てる。もう、隠せないよ。


「あの人たちが、奈央を…」

「あいつらが?それで、なんで彩華はあいつらのところに行ったんだ?」

「もう奈央には何もしないって」

「そうか。ならよかったじゃん。

何でも俺に言えよ?」


私は家に帰る。

神木くんには一つだけ、教えなかった。

私が代わりをするということを。

ごめんね。迷惑、掛けたくないから。
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