好きっていうまでは
下った先には怪しげな階段。
その前で、キュッと止まった。
「よし。こっから少し歩くから覚悟しろよ?
無理になったらすぐ言って?おんぶするから」
「うん。でも、そんな事より…ここの階段上るの…?」
目の前には暗くて、入るのも怖い階段がある。
「そうだけど?」
そんな余裕そうな顔しないでっ。
「いくぞー!」
「あっ、待ってよー!」
階段を上っても上っても、暗いのは変わらない。
代わりに聞こえるのは、風の音だけ。
「怖いんだ?」
知ってるくせに…
パシッと私の手を握る。
「これで怖くないだろ?」
神木くんは私の手をつないでゆっくり歩いた。