好きっていうまでは
「よっ、彩華」
「おはよう、る、るい。」
まだ慣れないんだよなぁ…。
「やばい。その笑顔で呼ばれると、照れる」
「え?」
「はいそこ。朝からイチャつかない。」
奈央は、そう言って手をパンパンと叩く。
関係ねーだろってるいは少しふてくされてる。
チャイムがなっても、陽輝が来なかった。
「陽輝どうしたのかな。」
「わかんない。」
私と奈央は朝のHRの間ずっとソワソワしてた。
二時間目あたりで陽輝が遅刻してきた。
「あ、きたー!」
「なにやってたの?」
陽輝は席に座ると、ふぅーっと息をついてから答えた。
「寝てた。」
その答えに思わず2人で笑ってしまった。
その時までは何も知らずに。