好きっていうまでは
1週間が過ぎた月曜日。
その日陽輝は来なかった。
「また寝坊かね?」
「確かにー」
私と奈央はまた寝坊って思い込んでいた。
でもその日は一日来なくて、私は心配になって陽輝の家の前に来た。
相原の文字がその部屋の改札からなくなっていた。
「え…?」
私は急いで、携帯を取り出して陽輝に電話をした。
プルルルル。プルルルル。
2回目のコール音で陽輝が出た。
《もしもし》
「陽輝?今、どこにいるの!?」
《バスの中だよ。つーか、声でかい。》
いつも通りの声のトーン。
それはそれで安心した。
「どこに行くの。」
《彩華の父さんがいる街まで》
パパがいるところって…ニューヨーク。