好きっていうまでは
タクシーを捕まえて空港まで向かってもらった。
こんなに時間の流れが早く感じたことがない。
急がないと…行っちゃう。
空港についた私は急いで探す。
陽輝…どこにいるの!?
人がやけに多く感じて、目の前しか見えなくなった。
もう…会えないの?
「彩華…?」
何年も聞いたその声、その感じ。
振り向けばやっぱり陽輝だった。
「こんなとこでなにしてんだよ。もう、暗くなるだろ?
ひとりで帰れなくなったらどうすんだよ。」
「だって…陽輝に一生会えないかもしれないじゃん。
さよならくらいは直接言っておきたかった。」
陽輝は私が一人で来たことに少し怒っていた。
少しため息をついて誰かに電話し始めた。
「ああ。今すぐ…じゃ」
電話が終わって、また私に向き直る。