好きっていうまでは
「ごめん。心配かけて」
それだけいうと、ボストンバックを床に置いた。
「いいよ。奈央にはなにも言わないの?」
私はあえて、告白とは言わなかった。
でも、陽輝はその言葉の意味を察したみたい。
「なんだ、バレてたのか。
言ったよ。好きだって。」
頭を掻いて少し、照れた表情になった。
――数日前。
陽輝は奈央に告白をしに、家まで行った。
「あー。相原じゃーん、どうした?」
「話したいことがあって」
「ん?なに?」
「俺、今度の月曜にニューヨークに行く」
奈央は放心状態になった。
「え?に、ニューヨーク?それって…」
「まだ終わってない。よく聞けって
俺、森のこと好きなんだわ。
俺と付き合ってくれませんか?」
律儀な言葉で丁寧に奈央に伝えた。