好きっていうまでは
「…ば、ばっかじゃないの。
そんなに遠くにこれから行くっていうのに、
なんでそんなこと言えるわけ?!
第1に、私にどれだけ日本にいろっていうの?!」
奈央は多分、パニック状態になってたんだと思う。
「すぐ戻るかもしんねーし、10年先かもしんねーけど、
俺はずっと好きでいる。もし戻ってきて、
お前に彼氏がいたら、それまでにする。」
真剣な目で見つめらる奈央は、そらさずにはいられなかった。
「す、好きにしなよっ。私も待つだけ待つ。
待ちきれなかったら…ほかの人探しちゃうから。」
「それでもいいよ。今好きでいてくれてるなら」
そう言って、陽輝は奈央にキスをした。
――「ていう理由。」
「そっか。」
「彩華」
またちがう人に呼ばれる。
るい、だよね。
「るいに送ってもらうように頼んだ…奈央。」
るいの後ろに居た、奈央はひょっこり顔を出す。
「よっ。来ちゃった。
やっぱり待つ側としては、最後に一目見ときたいじゃん?」
「寂しかったんだろ?はっきり言えよな」
「うるっさい。神木は黙ってて」