好きっていうまでは


「どういうことだよ。」

「いや、違うの。クリスティが来て」

「またアイツか。なにされたんだよ、アイツに。」

いつもより低いトーンで聞いてくる。

本当のこと言ったら、絶対怒るよね。

でも言わないと。


「抱っこされた…」

「彩華は、そーゆうのされて嫌じゃないんだ?」

「嫌っていうか…なんか…恥ずかしいっていうか…」

「あっそう。じゃあ嫌じゃないってこと。

俺は嫌だよ。しかもなんでよりによってあんなヤツなんだよ。」

あんなヤツっていうワードに少しカチンときた。


「あんなヤツってなに。そんな言い方ないよ。」

「かばうのかよ」

「そういう訳じゃないよ。でもどうしてそんな言い方するの?

クリスティはるいに何もしてないのに」

「どーでもいいって思ってる女だったら

抱き抱えたりなんてしねーよ。

あいつは彩華のことが、好きなんだよ。

わかってんの?恋愛対象として見られてんだよ。」

「でも、クリスティは小さい頃からの友達だし、

少し仲いいからってそんなふうに決めつけないで!」

「ああ。そうかよ。

じゃあ好きにしろよ。」

気づけば家に着いていた。

るいは怒って帰った。
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