好きっていうまでは
「クリスティよりも、神木の方が、
彩華に近い気がするんだよね。」
「近いって、位置とか?」
「ちがーう!距離だよ距離。」
「いや、それは位置と同じだけど…」
「位置の問題じゃなく…心よ心」
奈央は左胸を右手の拳で叩いた。
心の…距離。
「多分、クリスティの方が一緒にいた時間は長いと思うけど、
問題なのは時間じゃない。
彩華が本心をさらけ出して、心と心が通じ合えるって言うのが、
あたしは大事だと思ってる。」
「心と心が通じ合える…」
その言葉は、今まであまり考えたことはなかった。
自然に、ごく自然に行われていたことで、
私はその自然さあまりに気づけなかったのか。