好きっていうまでは
『着いたよ。』
そう言われてきた場所は、霧がかかってた。
白くて前がなんにも見えねーし。
俺はじっと霧を見つめていたら、サーッと霧が晴れた。
かと思うと、彩華が泣いてた。
いや、これはなんだ…現実の方の彩華って言うべきか。
霧の晴れた向こう側にドアがあった。
『戻ってきて。るいは私から離れないんでしょ…?』
こっちの世界の彩華にそう言われた。
多分あのドアに入れば、戻れるんだ。
現実…?いや、俺の体に。
「当たり前だ。一生愛し続けるよ。」
俺はそう言って、ドアの向こうに行った。