好きっていうまでは
私たちは静かになってしまった。
ヒューーーン、ドン!
「あ!花火!」
私は急に立ち上がったために、浴衣で動きづらいのもあって、よろけた。
陽輝に寄りかかるみたいに倒れた。
「ごめん。浴衣なの忘れてて…わっ!」
陽輝が私を抱きしめる。
「なに?え?もう大丈夫だよ…?」
陽輝は私を離す。
陽輝の顔が近づいてきた。
一瞬、今の状況が飲み込めなかった。
だって、幼なじみの陽輝に。兄妹同然の陽輝に。
キス、されたから…。