好きっていうまでは
放課後、陽輝に会って話そうと思って教室に行った。
そしたら、女の子と話してた。
あ。なんだ。私、忘れてたんだ。
陽輝がモテること。
どんな学年からも好かれて、優しい陽輝を好きにならない人はいない。
誰かにそう言われてたのを思い出した。
私にキスしたのも、なにかのミス…
「はぁ…帰ろ。」
私はくるりと背を向けて帰ろうとすると、
「彩華。一緒に帰ろ。」
陽輝は私の腕をつかんでそう言う。