好きっていうまでは
「なーるほど。私に相談なんて!
珍しぃ!ってわけでもないか。」
放課後、部活に行く前にちょっとだけ残って相談に乗ると言ってくれた。
奈央は、なんか恋愛のことよく知ってそうだし。
『わからない時は、専門家に質問するのが解決の近道。』
と昔、先生に言われたのを思い出す。
「難しい質問するね、彩華は。」
「好きって…私にはわからないの。」
奈央はすこしうつむいて考えたようにした。
「やっぱり、一緒にいてドキドキするとかじゃない?
なんか、この人といるとドキドキして、
目とか合うとずっと見つめてたいみたいな!?
手繋ぎたいとか、抱きつきたいとかキスしたいとか。
そんな感じよ。」
「奈央は、片原さんとそうしてたいの?」
「…まあ、そうかな!」
奈央は照れたように顔を、薄紅色に変えた。