絶対に惚れさせてやる【非公開】
「お大事に」
「あーセンパイ」
「何?」
「あげる」
?
瀬上に手渡されたものを見るといちごミルクの飴玉で
「手当のお礼。ポケットに入ってたから
俺甘いの嫌いだしあげる
失恋には甘いし丁度いいんじゃね?」
「っ!!
何であなたがそんなこと知ってっ!!」
怒りと焦りで言葉に詰まると
「さぁ?」
瀬上は生意気な顔でフッと笑った
……ああ
私の脳が警報を鳴らしている
“コイツには関わるな”と
「なんで見ず知らずの後輩が知ってるのかは知らないけど、私の事にこれ以上触れないで。
放っておいて。じゃあ」
最悪のフラグが立つ前に会話を終わらせようと、早口にその場を去った
もう、遅かったけどね…
──────────────・・・
「……見ず知らずの後輩…ねぇ」
置き去りにされた瀬上はその場で呟く
「翔ー!何やってんだ?」
そこに聞こえてくるバスケ部員の声
「見てた」
「何を?」
「おもしれぇ人?」
「何だソレ?
…まぁいいや、休憩終わったから練習戻れってさ。行こうぜ」
「うーいっ」
…………………
……