絶対に惚れさせてやる【非公開】
「…センパイ今から体育?」
そんな私を無視してヤツは私の体操服がはみ出ているミニバッグを見下ろす
「…せっ!…あんたっ…」
「俺は移動教室」
聞いてないわっ!
ってか、あんたのクラス移動教室多すぎでしょっ
「…あ…だ…
い…今から着替えるからっ…
じゃあね!!!!」
一刻も早く、瀬上の前から立ち去りたかった
だいたい声をかける時に息吹きかけるなんて…何を考えているの?あのバカは
「着替え……
それって覗いたらダメなの?」
……は!?
「ダメに決まってるでしょ!!
バカなこと言ってないであんたも早く移動しなさいよ!!」
瀬上の下ネタを含んだ質問に返事を叫びながら
私は廊下を走って、由良と未來を追いかけていった
顔が熱く、昨日のことを思い出しただけでも頭がパンクしそうになる
「…っとに調子狂う…」
1人、パタパタと手で顔を仰ぎながら走っている私は知らなかった
「…ねぇ翔〜
あのセンパイ前も一緒に居なかった?」
「…ふぁ〜あ
そう?」
「………ほんとに片思いとか?」
「……知らね」
「ふ〜ん?
気に食わないな…(ボソッ」
瀬上の隣にいた少し派手な女の子が、瀬上の腕に自分の腕を巻き付けながら
走っていく私を睨んでいたことに……