絶対に惚れさせてやる【非公開】
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タッタッタッ———
「はぁ…はぁ…」
「はーーい!あと2周!ガンバレー!」
体育の授業中、呼吸を乱しながらもランニングを続ける
「「紗(ちゃん)頑張れ〜!!」」
未來と由良の声援を受けながら残り1周となる通過点を通り過ぎようとしていた
「あ!紗ちゃんだぁ〜!
頑張れ〜!!♡」
そんな時聞こえた可愛らしい聞き慣れた声
「…はぁ…はぁ…萌亜先輩…」
声が聞こえた方向に視線を移動させると、体育館に移動している最中の萌亜先輩が私に向かってブンブンと手を振っていた
「…あ…りがとう…ございます…はぁ…」
走っている最中の私の声は萌亜先輩の声とは比べものにならないくらい小さく、当然届くはずもなかった
「おい!お前の彼女だぞ!」
「授業中にも彼女見れるなんて…」
当たり前のように周りの友達にはやし立てられる彰
そんな彰を見るよりも先に私に応援の声をかけてくれた萌亜先輩
それがなんだか嬉しくて、私は微笑みながら頭を軽く下げた
「萌亜先輩って優しそうな人だね」
「だねぇ〜!
彰君、声かけてもらえなくて項垂れてるよ…」
「いい気味だわ
早く先輩に振られて失恋の痛みを味わいなさい」
「うわぁ〜……残酷だね…由良ちゃん」
「当たり前でしょ?紗にあんなつらい思いさせてるんだから」
「紗ちゃんも優しいもんねぇ〜」
……2人がこんな会話をしているとも知らずに……