絶対に惚れさせてやる【非公開】
「…なんでキレてんの…」
目の前の瀬上は“は?”と言うような表情
「紗はいっつもこんなんだから!
瀬上も気にすんなっ」
後ろから聞こえる彰の言葉に
やっぱり可愛くない性格だなぁ…と
だからずっと一緒にいるのに想いは届かないんだ…と
胸がキリキリと痛む
「………」
黙って視線を下に落とす
すると、話題を変えるように瀬上が呑気に聞いて来た
「…つか、センパイ達何してんの?」
…その言葉に顔を上げる
瀬上なら
「あー、センパイ可愛くねぇーもんな」
って言うと思ったから
でも思い出してみれば、遊園地で私の気持ちを支えてくれたのは誰でもない瀬上
隠してる気持ちにもすぐ気がついて
私の思ってることも何でも見透かしてて
彰と萌亜先輩をなるべく見ないで良いように
辛い思いをしなくて良いように助けてくれた
瀬上は人の気持ちに敏感なんだろうか…
そう気づいたら、今の話題転換も私に気を使ってくれたのかもしれないとさえ思えてくる
「紗が体育で怪我したから保健室行くんだよ」
「ふ〜ん
だせぇな…」
ふっとバカにした様に見下ろす瀬上
「うるさい
怪我なんかしてない
何処も痛くないし」
「足から血、ダラダラ出てんのに?」
「でてないっ!
もうどいて!じゃま」