絶対に惚れさせてやる【非公開】




最後は逆ギレ気味になってしまった




だけど、バカにした様に笑う瀬上が人をイラつかせてるんだからしょうがない






再び足を引きずりながら歩き出し、デカイ瀬上を押しのける






私は瀬上より約20センチぐらい小さいから、手をつくのは自然とお腹辺りになるわけで…






「痛ぇ…
押しすぎ」




「っ///」





細身なのに程よくついた筋肉が手に触れ、ほんの少しドキッとしてしまった





「…?」



「紗?」




ピタッと止まって動かない私の顔を覗き込む瀬上と



私の名前を呼ぶ彰






そんな時だった





「おーーーい!彰ーー!
次お前の番だぞーー!
おーい戻ってこーい」







「「「⁉」」」







3階に向かって叫ばれた馬鹿デカイ峰守君の声



あ…そうか…



授業抜け出して来てたんだ…彰は




「あーあ、サボりタイムも終わりか…」



はぁーっとため息を吐き、残念そうに呟いた彰





「ちょっと待って…
彰…サボるために付き添ってたの?」




「バレた?」




「……」



はぁ…

やっぱりそんな理由か…



ちょっとでも喜んだ私の気持ちを返して欲しい



“心配してくれたのかな?”って…





「んじゃあ、俺戻らなきゃな…

瀬上…お前今暇?」




諦めたように私の笑う彰は、私の目の前に立っている瀬上に顔を向ける






……嫌な予感…





「暇だけど?」



彰…まさか…




「んじゃあ、紗の付き添い任せるわ
俺、呼ばれてるし」




………やっぱりーーー…




彰の口からでた“頼みごと”は私が1番避けたかったものだった









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