絶対に惚れさせてやる【非公開】
「センパイもうちょい自分に素直になってもいいんじゃねーの」
「は?」
叩いた右手をそのまま私の膝に当て、瀬上は呟いた
「なんで1人で我慢して諦めよーとしてんの?」
「……」
「彼女がいたら告っちゃいけねーのかよ」
「……そんなことっ」
「好きなら好きって言えよ」
「っ‼︎」
きっと瀬上は自分が思ったことは我慢せずどんどん言うタイプなんだ
好きなら「好き」
嫌いなら「嫌い」
バカなら「バカ」
そして…
そばに居たいなら「付き合って」
って、なんの躊躇いもなく言える男なんだ
「……じゃない」
「は?」
「誰もが誰も、瀬上みたいに思った事を口に出せるわけじゃない」
「……」
「迷惑がかかるかもとか、嫌われたらとか、色々不安に思うこともあるのっ!」
「……」
……なんで私、瀬上なんかに当たってるんだろ…
「……ごめん」
「……」
言いすぎたと思って謝るも、瀬上は無反応
「手当て、ありがと
私もう戻るから、あんたも授業出なさいよ」
「……」
何を考えているのか黙りこくる瀬上に声をかけた後、ゆっくりと立ち上がり扉に向かう
…今から戻ってももう授業終わっちゃう
そんなことを考えながら扉に手をかけたときだった