絶対に惚れさせてやる【非公開】




「………」





文字を書く手を止めて窓から下をのぞき込むと




校庭でバスケのリングを前に、綺麗なフォームでシュートを決める瀬上がいた







「あー!そっからシュートうったらお前の身長的に絶対入るじゃん!」




「え、ダメなの?」




「…うっ…

くっそぉぉ!俺も翔みたいにデッカくなりてぇぇぇ!!」






別に瀬上ほどの身長にならなくても良いと思うけど…





心の中で顔も知らない後輩に突っ込んでいると







「なーに見てるの?紗ちゃん!」


「彰君もう外まで行ってんの?」






2人が私の机に乗りかかって、同じように窓から顔を出した






「あぁー!あれって!」



由良が突然大きな声を出す




それに続いて未來も




「ほわわわわ!

1年の瀬上翔くんだぁ!」




丸くて大きいタレ目をキラキラさせて興奮している





「……知ってるの?」





…まぁ私もなんとなく知ってたけれど





「知ってるも何も超有名じゃん!

あの見た目に尋常じゃないモテっぷり…女子が放っておくわけないよ!」




「あんな身長高いとかかっこいぃ〜♡

未來、翔君ぐらいの身長好みだなぁ」








………へ…へぇ?





あのデカくて自己中なガキがモテているのは知ってたけどここまでとは…





「………はぁぁぁぁ」





大きなため息を口から吐き出した後、机の上に倒れ込むと、ギリギリ窓から瀬上の頭が見えるか見えないか







「きゃぁぁぁ♡
瀬上君、2分間1回もシュート外さなかったよ!」




未來が歓声をあげた時には他の女の子達も騒いでいて





「くあっ…


ねみぃ……」





黄色い声を浴びる当の本人は、元々少し崩している制服が乱れた格好で右脇にボールを抱えながら










……呑気に欠伸をしていた




























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