絶対に惚れさせてやる【非公開】




「今日の練習メニューです


まずランニング
300mのグラウンドを2周3周4周してもらいます。
各セットごとに休憩2分

次にロングキック、3人組ロングキック

5人組になってスローイングの練習
スペースの作り方などを確認してください。




最後はミニゲームです

以上」








「「「はいっっ」」」







練習メニューを確認した後はゼッケンの解れ直し、ボールの個数確認、ドリンク補給





やることやっぱり多いな…








「おーい紗!」




皆が走る前の準備運動をしている最中、私にかけられる声にドキッと身体が反応する





「…なに?」




「あの…さ」




言いにくそうにモゴモゴして頬をピンクに染める彰は何だか女々しい




「…早くして。ランニング始まるよ」





告げられる言葉も知らずイライラする私






彰はあっ、ごめんごめん…と謝り







「萌亜先輩のこと家まで送る約束しててさ、先輩も部活終わるまで待っててくれるみたいだし断れなくて…

だからゴメン!これからは一緒に帰れねぇーや。

今日からだけど、帰るときは気をつけろよ!」








残酷な言葉を早口に、走って皆の所へ戻って行った








「……わかった」








もう彰は戻ってしまっていない



私の了解を意味する返事は誰にも届かなかった
















…はずだった








「ブッサイクな顔…」



ビクッ


「っ!!!?」












………こいつがいなければ







< 24 / 124 >

この作品をシェア

pagetop