絶対に惚れさせてやる【非公開】
「な…なんであんたがここに居るのよ…瀬上」
「いちゃダメなの?」
後ろからデカい身体を折り曲げて私の顔を覗き込んでくる
キラッ
髪の隙間から覗く耳のピアスが光を反射している
「どいてくれる?準備室の鍵取りに行きたいから」
「……」
動かない瀬上にもう何も言う気もなくなり、自分でヤツの身体を押しのける
「…え」
グイッ
あるものが目に入った途端、瀬上の胸ぐらを掴むように引き寄せる
「…センパイ…服伸びる」
「あなた…まさか」
そう
私の視線が捉えたのは、まだ制服姿の瀬上のシャツに留められた組賞
「まさかC組とか言わないよね?」
「C組じゃダメなわけ?」
「……冗談はいいから」
「冗談じゃねーし。組賞に書いてっし」
「……………」
………嘘でしょ
「……センパイ?」
「どいて」
瀬上のでっかい身体を押しのけ、フラフラとした足取りで今度こそその場を去った