絶対に惚れさせてやる【非公開】




「はぁ……疲れた」




誰もいない校舎



パタンッと靴箱を閉める音が響く





……今頃彰は彼女の家の前かな?


それとももう1人になって自分の家に向かってる?







夕暮れの蒸し暑さに顔をしかめて腕まくりをしながら校門に向かって歩いていく






「……はぁ」




「…何回ため息ついてんの?」






!!!?





声のした方に顔を向けてさらに顔をしかめる






「センパイかーえろ」




「…無理」








これ以上構ってたら長くなる



そう思った私は振り向いた身体をクルッと元に戻し、早足で校庭を横切る






「………」




「………」







………うっとおしい!!





「ついてこないでよ」



「コンビニ寄ろーぜ」




「聞けっ!」





足の長い瀬上は、前傾姿勢で必死に早足する私の後ろを余裕で追いついてくる




ポケットに手入れて歩いているあたりが腹立たしい







「…何でそんなにあの先輩が好きなの?」





ヤツの一言で大事なことを思い出す




「っ!!そういえばあなたっ
何で私が失恋したこと知ってるのよ!!」




「…ん〜?」




……誰にも言ったことないし感づかれる態度もしていないつもりだった





「…なに、もしかして自分の態度が誰にもバレてないとでも思ってたの?」






……読まれた?





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