絶対に惚れさせてやる【非公開】






「…すげぇ」




頭の上に固いものが乗る




で…出た…







「「……!?」」


由良と未來はまさにポカーン







…もう声で分かる


この低くて生意気さを含む声





「瀬上…顔どけて」



「無理。ちょーどいい高さにあるし」




…イラッ









丁度私の目の前にあるココアの紙パックは、瀬上が加えているストローからぶら下がったもの






ズボッ




「じゃま」









上からサッカー部のノートを興味ありげに覗き込まれている状態



つまりその紙パックはものすごく邪魔なわけで、容赦なく引っこ抜く






「…紗」


「紗ちゃんすごい…」






私達のやりとりにただ目を見張るだけの2人





何がそんなに凄いのか、イマイチ理解出来ないけど





「っ!はにふんのよっ」(何すんのよっ)



「センパイが紙パック抜くからじゃん」



「はんへいないへしょっ」(関係ないでしょ)







ストローを加えて尚も私の頭に顎を乗せながら、鼻をつまんでくる瀬上が





限りなくうっとおしいことは理解できた










< 35 / 124 >

この作品をシェア

pagetop