絶対に惚れさせてやる【非公開】
「…すげぇ」
頭の上に固いものが乗る
で…出た…
「「……!?」」
由良と未來はまさにポカーン
…もう声で分かる
この低くて生意気さを含む声
「瀬上…顔どけて」
「無理。ちょーどいい高さにあるし」
…イラッ
丁度私の目の前にあるココアの紙パックは、瀬上が加えているストローからぶら下がったもの
ズボッ
「じゃま」
上からサッカー部のノートを興味ありげに覗き込まれている状態
つまりその紙パックはものすごく邪魔なわけで、容赦なく引っこ抜く
「…紗」
「紗ちゃんすごい…」
私達のやりとりにただ目を見張るだけの2人
何がそんなに凄いのか、イマイチ理解出来ないけど
「っ!はにふんのよっ」(何すんのよっ)
「センパイが紙パック抜くからじゃん」
「はんへいないへしょっ」(関係ないでしょ)
ストローを加えて尚も私の頭に顎を乗せながら、鼻をつまんでくる瀬上が
限りなくうっとおしいことは理解できた