絶対に惚れさせてやる【非公開】
「その顔面でよく“お姉さん”なんて言えんな」
「っっ!?」
上から先生を真顔で見下ろしながら瀬上が放った言葉は
あのおちゃめな戸部先生でさえも顔を真っ赤にして怒り状態にしてしまった
「…あ、紗センパイだ」
「……」
まるで今気づいたかのような態度に若干イラッとする
…コイツは人を怒らす天才か?
「瀬上ーっっ!!
お前、いくら顔が良いって言ったって許されない発言もあるんだぞ!?」
「紗センパイもう部活終わんの?」
「瀬上!話聞けぇぇ!」
……なんだこれは
尚も戸部先生を無視して「ねぇ、終わんの?」なんて聞いてくる瀬上に
「…ん!…ん!」
小さく声を出して先生に視線を向けながら“怒ってるでしょ!謝りなさいよ”と送る
「あ、先生」
やっと気づいたか…と息をついたのも束の間
「ココ怪我したから手当てして
…って言いに来たけどもーいいわ、ダリぃし」
軽くあしらって会話を終わらせてしまった
「…先生」
ついにいじけて座り込んでしまった戸部先生を、私はどうもできなかった