絶対に惚れさせてやる【非公開】



『それでは上にある安全レバーをゆっくりおろしてください』






全員が乗り込んだのを確認し、アナウンスが流れる





並び方は右から、


彰、萌亜先輩、瀬上、私


の順







…よりによって一番端っこ






『安全レバーが全て下ろされました。もうまもなく発車しますので、しばらくおまちください』






“しばらく”ってどれくらいよ!?




いつもアトラクションや映画で思う




“しばらく”って何分!?何秒!?





今はその“しばらく”の間が恐怖でたまらないのに!!







頭の中はすっかりパニック状態の私は気づかなかった





隣の瀬上がこちらを横目で見ていたことに









ウィーーーーーン





ガタンッ





「………っっ!!」





恐怖でしかない機械音



ガタンッという音とともに少し下がった乗り物が動き出す






『それではっ、出発進行ー!!♪』





こうして、私達を乗せた絶叫マシーンはゆっくりと傾斜を上っていた









「紗ちゃん紗ちゃん!すっごく景色綺麗だね!」




「…そうですね。高いですね」




「先輩!そんなに乗り出したら落ちますよっ!」





安全レバーが簡易だからか、上半身は簡単に浮き上がる





それをいい事に、瀬上を挟んで隣に座る私に無邪気な笑顔で話しかけてくる萌亜先輩





そんな先輩を彰が慌てて引き戻す








私はというと…





ギュッと目を瞑って、とても景色どころじゃなかった








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