絶対に惚れさせてやる【非公開】




「……瀬上」




「ん」



「…ありがとう」




「………は?」






何言ってんのコイツ、みたいな目で見てくる後輩も今は腹が立たない





「……今日。


色々気を使わせちゃったから、ごめんねの方が合ってるかな」





「……」




「…瀬上だって男子なんだから絶叫系乗りたかったんじゃないの?」





「……」





「私1人置いてってくれて良かったのに」





「……それは無理だろ」




「……なんで?」





「だって1人んなったら、また彰センパイ達のことモヤモヤ考えるんだろ?」





「……」





「そうなったら、絶叫系乗った後と同じくらい暗くなるじゃんセンパイ」




「……」




「どーせ俺もそんなぶっ続けで乗れねぇし休憩してただけだし」




「……」





「…そんな後輩に気ぃ使う必要なくね?」









……どうしてだろう




瀬上の今まで無い優しさにとても心がぽかぽかする




じわじわと熱いものに支配されていく







「…アンタこそ先輩にはもっと気を使うべきよ」




「めんどくせぇ」





きっと



今までさんざんイラつくことやムカつくことしか言ってこなかったから





そんな生意気な瀬上が今日少し優しさを見せてくれたから…





その“ギャップ”ってやつに胸が熱くなっただけだ







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