絶対に惚れさせてやる【非公開】
────ジャリッ
私の横に2列で並んでいる瀬上が1歩私の方に近づく
「……な…なに」
「…お礼」
「は?」
「…今日俺がセンパイの世話焼いたげたお礼」
「…か…観覧車行くじゃない」
「それはジェットコースターでのお礼だろ」
「は!?
他にも何かしろっての!?」
驚いて見開いた私の目に映ったのは、口元に薄い笑みを浮かべた瀬上の顔
「…っ!!」
「別に、難しいことは求めねぇーし」
そんなことをほざきながら、徐々に近づいてくる
「何させる気なの…!?」
生憎
私達の前に並ぶ彰と萌亜先輩は、楽しく和やかにお喋りしていて
私のピンチに気づく気配は微塵もない
「…彰センパイのこと
諦めれてねぇーの?」
「はぁ?」
…もう訳分からない
「とりあえず
キスでもしてくれる?センパイ」
「なんでそうなるのよ!?」
大声で反論しても、それが聞こえないかのように瀬上は顔を近づけてくる
「ちょっ!ちょっと!」
縮まる距離
吐息がかかる距離まできた
それでも止まろうとしない瀬上の胸を両手で押すも、簡単に手首を捕まれて効果がなくなってしまった
「まって!なに!?
本気でするつもりなの!?」
喚く私の言葉は一切無視
もう顔の距離は1cm程度
両手首を掴まれている私はギュッと目を瞑るしかなかった