絶対に惚れさせてやる【非公開】
「いた…た…」
ドサッと下ろされて打ち付けた腰を摩る
「………」
………ここって
「…観覧車…」
「……」
黙ったままの瀬上は景色を見ているだけで
その無表情な顔色からはなにも読み取れない
「……瀬上
彰と萌亜先輩置いてきたままなんだけど…」
「…知らねぇーし」
……はぁ、めんどくさい
何が原因かは分からないが瀬上は絶賛不貞腐れ中だ
「……ねぇ
なんで…………」
何かを聞きかけて言葉を止める
……私はコイツに何を聞こうとしたのだろう
「………」
「………」
静まり返った室内
ゆっくり…ゆっくりと高度が上がっていく
ゴウン…ゴウン…ゴウン…
「…うわ…」
ポケットから手鏡を出して、自分の顔を覗き込んだ私は絶句した
真っ赤に充血して腫れた目
乱れた髪
少し赤くなった鼻
もともとナチュラルメイクだからメイクの被害は無いに等しいと言えど
泣いた後の顔は誰にも見せられない程だった
「………」
こんな顔を瀬上に見られたのかと思うと恥ずかしくて、今更ながら俯いてしまう
……バカだなぁ…私
「…センパイ、バカなんじゃね?」