絶対に惚れさせてやる【非公開】
保健室
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「ちょっと紗、歩くの速いわよ」
「そぉーだよー
どーしたのぉー?」
普通の人からしたらのんびりできる休日が終わり、今日から嫌な授業がある学校が始まる
私からすればとんでもない休日が終わり、今日から会いたくない奴に遭遇する回数が増える学校が始まる
「…………」
「紗、本当にどうしたの?
なんか怒ってる…っていうか焦ってる?」
さっきからは、電車でいつも会う3人組の由良と未來が声をかけてくる
「…お…怒っては…ない!」
「…相当焦ってるな…」
由良は苦笑気味に長い黒髪を揺らすと、風で乱れたオン眉の前髪を整える
「休日で何かあったのぉー?」
「……っ!」
今日もほんわか空気を放出している癒しの未來は、1番突いて欲しくない所を突いてくる
「やだわ奥さん、堅物の紗にも恋かしら」
「やぁだぁ〜。そんなこと……
あるかも♡」
最後には私を無視して私の話題を進めるのが2人のお決まり
今日も見事な快晴
賑やかな友達
私はどんよりした、どこか緊張感もある気持ちで学校に向かっていた