【短】ある日桜の木の下で
「座りなよ。」
彼はそう言って木の下へ再び座る。
私も…彼の隣へと座りに行く。
「地面いっぱいに桜が落ちてますね。まるで桜の絨毯みたい。」
私がそう言うと彼はクスリと笑った。
「確かにね。じゃあ俺は桜の絨毯の上で本を読んでいたわけだ。最高だな。」
「羨ましいです。」
私がそう言うと肩と肩が触れ合った。
ーードキン
胸が異常なまでに大きく鳴った。
そういえば彼、いい香りする。シャンプーの匂いかな?好きな匂いだ。
そんな変態チックなことを考えてると風が吹いた。
そして桜の枝が揺れ、桜が舞い降りた。
ヒラヒラと宙を舞う桜に見惚れてしまう。