【短】ある日桜の木の下で



彼の隣にいるからか、桜が私の近くを舞う。



「綺麗…」



桜の舞を見てる気分になり、途中手拍子をすると彼に冷たい目で見られる。



「大丈夫?桜見てテンション上がっちゃった?」




「大丈夫ですよ!あっ、みてください、あの花びらたち寄り添って飛んでます。」



2枚の桜の花びらが寄り添って飛んでるとこをみて伝えると彼は私の頭を撫でた。



え……?なに?




「本当だな。俺らみたい。」




テンポよくポンポンと頭を撫でながら優しい声色で言う彼。




「〜〜ッ、そう、ですね…っ」




なんか、ズルい……



なぜか負けたような気持ちになり、その人の手をギュッとつねる。




「いてっ…!なにすんだよ。」




その人は一瞬顔を歪めてから俯いている私の顔を覗き込んできた。



近い……



「うわ…真っ赤。」




彼はそう言って私の頬を撫でた。



……なんなのこの人は。天然なの?天然たらしなの?





< 9 / 11 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop