もしも勇気が出たら君を抱きしめたい
年が明けて授業がはじまった。
けど三階のフロアは、静まり返っている。
登校してきて勉強している三年生もちらほら見えたが、ほとんどの生徒が登校していなかった。
もちろん、登校しない生徒の中には伊東も含まれていて、僕はいつも三年生の教室の前を通るたびため息をついていた。
もうきっと卒業式まで会うこともないんだろうけど、がんばれの一言ぐらい言えばよかったと後悔する。
九条の言っていた後悔は、こういうところから始まってるのかもしれない。
僕九条のいっていた後悔は、少しでも可能性があるのに、何もしない僕へ向けたもので、それもわかっているのに、僕は何も動かずにいた。