もしも勇気が出たら君を抱きしめたい
きつく伊東を抱きしめる。
ずっと言えなくて、一年間、言えなかった思いがあふれ出す。
「・・・先生、苦しい。」
「え!?あ、ごめん!」
慌てて伊東を離す。
手加減を少し間違ったらしい。
慌てている僕を見て、伊東は笑った。
「先生、私四年間がんばって先生になってくる。
先生になって、戻ってくる。」
だからね、と伊東が続ける。
「先生、待っててね」
少しだけ目に涙を浮かべて、伊東は笑った。