もしも勇気が出たら君を抱きしめたい


伊東に彼氏がいる。

そんなのは、わかりきってることだった。

あんなに仲のいい九条と、付き合わない理由があるとしたら、それしかなかったから。


それでも、


いきなり現実を突きつけられた感じで

この年でこんな気持ちになるのかと、自分で失笑してしまう。


高校生のとき、大好きだった彼女に振られたときも、こんな気もちだった。


「せーんーせーっ!!」


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