もしも勇気が出たら君を抱きしめたい

満面の笑みを浮かべて、甘えたようにいう。

なんでこんなにずるいんだろう。


「先生怒った?」

「んな訳ないやろ!」

「ならよかった!音楽室いきましょ!」


僕の返事も聞かずに颯爽と歩き出す。


僕には、弱い一面は見せないのだろうか。

僕には、今悩んでること、相談したりしないんだろうか。

そうやって、何もないふりをして、平気なふりをして、僕じゃない誰かの前で泣くのだろうか。


そんなのこと考えたってどうしようもないのに、頭にそれしか浮かばない。


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