もしも勇気が出たら君を抱きしめたい


「伊東帰ってなかったん?」

「携帯忘れたの気づいて戻ってきた。あっちのドアから入ったほうが近道なの先生知らんやろ」


なるほど。だからさっき見送ったはずの伊東が僕の目の前にいたのか、と一人納得する。


「先生一人で鍵閉めすんの?」

「そうやで」

「んじゃ、今日はももがついてってあげる!」


そういってニコッと笑うと、伊東は僕の横に並んだ。


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