もしも勇気が出たら君を抱きしめたい


浮気されても別れないなんて、そうとう惚れているらしい。

けど、別れたらいいのにと皮肉づいていても、僕は気づいていた。

僕はきっとあいつにはかなわない。


あいつの前では、伊東は女の子じゃない、少し大人の女の顔をしていた。

僕の前では絶対見せることはないだろう顔で


それに気づいて、伊東を避けていた。


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