もしも勇気が出たら君を抱きしめたい
「は?!」
予想外の発言に思わず大きな声がでる。幸い、周囲も盛り上がっているので誰も振り返らなかった。
「先生声大きい」
「いや、だって」
「誰にも言うつもりはないし、先生のこと応援してますから、僕伊東のことは妹にしか思えないんで。」
それだけいうと、僕の返事も聞かずに九条は岡部達のほうへ行ってしまった。
追いかけて否定をするのもおかしいような気がして、僕は窓際に腰をおろす。
あいつは周りに気を配るのがうまくて、周囲をよく見ているやつだとは思っていたけど、
僕の気持ちにも気づいていたのだろうか。
その前に僕はそんなに気持ちが顔に出ているのだろうか。
他にも気づいている人はいるのだろうか。
そんなことを考えていると、エアコンがついているにも関わらず変な汗がでてくる。