もしも勇気が出たら君を抱きしめたい
この学校は、屋上の出はいりが自由だ。
危なくないのかと思うほど、施錠はちゃんとしていない。
二人で空きっぱなしのドアをくぐって屋上への階段をあがる。
「うわぁ、めっちゃ星きれい!」
屋上に出るなり、伊東が大声をあげた。
そのまま駆けて行って、フェンスにつかまる。
少し伸びた髪がふわふわと風になびく。
「先生っ!こっち来て!」
伊東が自分の横のフェンスをトントンとたたく。