もしも勇気が出たら君を抱きしめたい
秋晴れの10月の日曜日。
いつもは、制服に単語帳を持ちながらだったり、友達と問題を出し合いながら登校してくる三年生も、今日は体操服でなんだかみんな楽しそうだ。
この学校は、三年生の息抜きになるように体育会がこの季節に行われる。
僕も、数少ない若い男の先生としての仕事がたくさんあって、朝からバタバタしていた。
「松井先生!この荷物運んどいてね!」
「はーい」
こんな感じで朝から雑用ばかりだ。
ゼッケンやバトンなどの小物が入った箱を持ち上げる。
運動場には、どんどん生徒が出てきていて、生徒がごった返していた。